ロシアのウクライナ侵攻に対して中立的な姿勢「カスペルスキー」CEOが発表

ロシアのウクライナ侵攻に対して中立的な姿勢「カスペルスキー」CEOが発表

ロシアの首都・モスクワに本社を置く、世界的なITセキュリティー大手「カスペルスキー」のCEOが、3月1日(現地時間)にロシアによるウクライナ侵攻についてツイッターで発信しました。カスペルスキー社は、世界30ヶ国以上に34の事業所を設けてるグローバル企業で、ロシア連邦と世界に影響を与えられる企業の1つです。そんなIT大手のユージン・カスペルスキーCEOが、どんな表明をしたのか見てみましょう!

ロシアのウクライナ侵攻について

日本時間の2022年2月24日(木)、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「ウクライナの非武装化」を目的としてウクライナへの侵攻を宣言しました。これを受けて、国連のグテーレス事務総長が「もし実際に作戦が準備されているのなら、私は心の底から言うことが一つだけあります。プーチン大統領、あなたの軍隊がウクライナを攻撃するのを止めてください。平和のチャンスを与えてください。すでに多くの人が亡くなっています。」と述べていたにも関わらず、ウクライナからの降伏を拒否されたのをみて、ロシアはウクライナの首都キエフに進軍し、爆撃しました。2022年2月28日(月)には、ロシアとウクライナはウクライナ・ベラルーシ国境で停戦交渉を行いましたが、未だ合意に至っておらず、今もロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続いています。

ユージン・カスペルスキーCEOはどんな発言をしたのか?

サイバーセキュリティの専門家として活躍しているロシア生まれのユージン・カスペルスキー氏は、2022年3月1日に「私たちは、ウクライナでの現状解決に向けた交渉が始まったことを歓迎し、その交流が停戦と和解につながることを期待しています。私たちは、平和的な対話が戦いを解決するための唯一の手段であると信じています。戦争は誰にとっても良いものではないです。」とツイートしました。

そのツイートに続いて、「世界の他の国々と同じく、私たちも今回の出来事についてショックを受けています。このような状況においてできることは、私たちの製品とサービスを世界中で滞りなく機能させることです。」とも発信しました。

世界の反応は?

これらのツイッターでの表明に対し、ユーザーたちは「和解とは何を意味するのか?」、「カスペルスキー製品はアンインストールする!」や「あなたの製品を二度とお勧めしない!」と反応するなど否定的な声が多い中、「カスペルスキーを使っていても問題ないのだろうか」と同社製品の使用について疑問視する声も相次いでいます。

ロシアとの取引を一時停止している世界的企業

ウクライナの侵略に対する報復として、すでに50以上の企業がロシアとの取引を停止したことを発表しています。目的は、ロシアのプーチン大統領の政府からできるだけ早く分離し、イメージを傷つけないようにすることです。その結果、ロシアには経済的障害を生み出すことになり、それが停戦に向けて影響を与えるでしょう。

ロシアとの取引を停止した企業の中には、テクノロジー界を牽引するデル・テクノロジーズやアップル、自動車メーカーのフォルクスワーゲン、フォード・モーター、BMW、そしてエクソンモービルなどの石油会社もあります。3月8日にはマクドナルドも「ウクライナで繰り広げられている、不必要な人的被害を無視できません。」と表明し、ロシアの850店すべてを一時閉鎖することを発表しました。さらに、コーヒーチェーン・スターバックスも、全130店舗での営業を一時停止しています。日本の電機メーカーのパナソニックも同様、ロシアとの取引を原則停止して、「現在の経済・物流など困難な状況を鑑みました。」と発表しました。

最後に

カスペルスキー社はロシアで最も有名な企業の1つで、世界中で使われているカスペルスキーセキュリティは、信頼できるセキュリティソフトとしておすすめです。しかし、ユージン・カスペルスキー氏のこれまでの沈黙や傍観、戦争に対して中立であろうとする姿勢は、これからどんな風にカスペルスキー社に影響を及ぼすのが注視する必要がありそうです。