新型コロナウイルスの影響によりパソコンでオンラインショッピングをする方も増えてきました。そしてオンラインショッピングを利用したことによるクレジットカード情報のスキミングなどによる詐欺被害も増加しています。
そこで重要なのがセキュリティソフトをインストールすることなのですが、中にはセキュリティソフトを入れたことで情報が抜き出される、と言う恐ろしい事例もあるそうです。特に今危険視されているのがロシアに本社のあるカスペルスキー社のセキュリティソフト『Kaspersky』です。
そこで今回はその『Kaspersky』について危険性やその対処法についてまとめていきます！
Kaspersky（カスペルスキー）とは
『Kaspersky（カスペルスキー）』とはロシアのカスペルスキー社が開発、提供しているセキュリティソフトです。第三者評価機関のAV-Comparativesが行なっている調査によると、性能面で7年連続1位に選ばれています。
もともとロシアは軍用スパイなども力を持っている国とされており、ハッキングに対する意識、技術が高いということもあり、カスペルスキーも高い性能を有しているようです。
単なるウイルス対策だけでなく、オンライン決済に対しても暗号化などにより保護をしてくれます。オンラインショッピングが当たり前の現代にとって、この機能はのどから手が出るほど欲しい機能ですよね。
カスペルスキーが不安視される理由はウクライナ侵攻
カスペルスキーが危険なのではないかと言われるようになった最大の理由はロシアによるウクライナ侵攻です。それにより欧州各国との関係が悪化し、いつ戦争の火種が飛びしするか不透明な状況となっています。そのような状況下で、セキュリティソフトを介して企業、団体、個人から情報を抜き取ろうとしているのではないか、という噂が流れました。
これに対してカスペルスキー社は完全中立の立場を表明しましたが、昨今の国家間のサイバー攻撃の状況を鑑みると、簡単に信用することはできませんよね。また、これは一企業としての姿勢であるため、ロシアという国家から圧力をかけられ、やらざるを得なくなると言うことも否定できませんよね。
いずれにせよ、大きなリスクを犯してまで使用し続けるようなソフトではない、と言うのが世の中の流れのようです。
各国のカスペルスキーはずしの流れも激化
このような状況のため、さまざまな国でカスペルスキーを使用しないように、という通知が出ているようです。日本でもカスペルスキーを名指しで使用を注意するように、と公表しています。使用していた官公庁からはカスペルスキーが姿を消していくことになります。
バイデン米政権は、２月にウクライナ侵攻を開始したロシアからサイバー攻撃を仕掛けられる懸念が強まったことを受け、国家安全保障の観点からロシアの情報セキュリティ―大手「カスペルスキー研究所」に対する調査を強化した。事情に詳しい関係者３人が明らかにした。
ロシア政府がカスペルスキーのウイルス対策ソフトウェアを介して米国内のコンピューターから機密情報を盗み出したり改ざんするリスクが問題視されており、連邦政府の契約業者や、送電網など重要インフラの運営会社のネットワーク侵入を強く警戒しているという。
引用元：ロイター（2022年5月10日）
ドイツ連邦政府情報セキュリティ庁は3月15日、ロシアのメーカーであるKasperskyのウイルス対策ソフトウェアの使用に関して警告するとともに、同社のアンチウイルス製品を代替のアプリケーションへ置き換えるよう呼びかけた。BSIはセキュリティソフトウェアについて、メーカーの信頼性に疑問がある場合にはリスクになると指摘している。
引用元:TECH+
日本では、経済産業省、総務省、警察庁などが連名で３月２４日に出したサイバーセキュリティー対策強化を求める文書で、ドイツ政府による注意喚起文書を参考に掲載した。サイバーディフェンス研究所の名和利男・上級分析官は同社製品について「ウイルス検知のレベルは高い」と評価した上で、「カスペルスキーではなくロシアを懸念している。ロシアの影響下にある企業は、いざとなったら国家に従わざるを得ないだろう。カスペルスキーは戦争の被害者と言える」と指摘した。
引用元：読売新聞オンライン（2022年4月6日）
カスペルスキーを使用していたらすぐにアンインストールすべき？
ここまでカスペルスキーの危険性についてまとめてきましたが、今すぐカスペルスキーの利用をやめて違うソフトに変えるべきなのか、と思いますよね。もちろん、ビジネス利用であるならば今すぐ『ウイルスバスター』など他の会社に切り替える方がいいのかもしれません。ただ、個人ユースでそんなに余裕がないよ、という方は今すぐ切り替えを”しなければいけない”というわけではありません。カスペルスキー自体は非常に高性能で素晴らしいセキュリティソフトであることは間違いありません。予算、利用目的などで検討すると良いでしょう。
最後に
今回は危険性が指摘されているカスペルスキーについてまとめてきました。
ロシアによるウクライナ侵攻がこのようなところにまで影響を及ぼしているのには驚きました。
自分にとってなにが大切で、どうしやって守っていきたいのか、よく吟味して決定して欲しいところです。